カイコ録

子供を通じて人生を回顧するブログ

新メンバー加入に寄せて

母子とも無事に出産し、退院してからいく晩かを過ぎたこのタイミングでの心境をつれづれなるままに。

自分の子供が生まれたという実感は、正直言って今のところほとんどない。なんというか、受験勉強せずに大学入学しちゃったみたいな、事実として子供が生まれたけどそこまでの過程として自分が何かやってきた、みたいな実績がないからだろうか。

やはり体内で9ヶ月近くも我が子を育て、胎動と共に子供の存在を感じていた妻に比べると、ただ側で見ているだけで何もできなかった夫はその点で思いが薄いのかもしれない。どこぞのブログで「男は射精するだけで産んでもらえる」という妻側の感想があったけどほんとそう。男なんて出産に際してできることほとんどないよなー。

コウノドリを読み倒した功罪というか、出産なんて最後の最後まで何が起きるかわからない、ただただ母子ともに無事であってくれればそれでいい、というのが一番の願いだったので、無事に生まれてきてくれただけでありがたい。コウノドリはマンガだから危険な話ばかり描いているというのはそうなんだけど、とはいえ出産は女性が命がけで挑んでくれていることだっていうのはゆめゆめ忘れてはならんなと。

そんなこんなで我が家にやってきた新メンバーですが、子供への愛情というのもいまのところはそこまで実感できるものでもなく。5年も一緒に暮らしてきて、お互いの趣味も行動も理解している夫婦に比べれば、血のつながりはあるとはいえ関係性はほぼ他人同然な我が子をいきなり家族同然に認識できるかというと正直難しい。これまた前述の通り、受験勉強もせず入っちゃった大学の愛校心は行きなり育めるものではなく、子供への愛情はこれから向き合うことになる苦労を乗り越えながら高めていくものなのかな。

あと事前に知識を入れすぎたせいか変な耳年増になっているところがあり、子供が笑っても「ああこれ自然現象で別に笑ってるわけじゃないんでしょ」と思ってしまうあたりも、そこまで感情移入できない理由かもしれない。もう少し大きくなって、ほんとに喜んでくれてるんだな、と心が通じ合いはじめる日を楽しみにしています。

そういう点ではいまのところ我が子は「お客さま」なんだけど、我が家に新たなお客さまを迎え入れるという点では生活がガラッとかわった。今までは掃除とかも適当だったし惰眠をむさぼってばかりいたけれど、今ではちょっとでもホコリがあると気になるし、苦しそうに咳をしていたらネットで検索して「ああこれは新生児あるあるなのか」とほっと胸をなで下ろす、そんな日々。

兄弟はもちろん親族とも年が離れた末っ子だったため自分より小さい子を面倒見たことがなく、きちんと面倒見られるかは不安だったけど、やっとワンオペ持ち(片手で赤ちゃんを持つこと)くらいはできるようになったし、おぼつかない手際ながら沐浴もすませた。友達の子供とかを抱いても緊張してしまってとてもちゃんと受け止められないけど、接触時間が長い我が子だと抱き方もいろいろ試せたりして、より快適な抱き心地を日々研究中です。まだ数日程度だけど。

うちの子はいまのところ寝つきがよく、ご飯を食べるとすやすや眠るし、夜も3時間という教科書通りの周期で起きてくれるので計画が立てやすい。女児ということももあってか鳴き声はそこまでの大きさではないのも助かる。

3時間おきの授乳のために夜中起きるのは大変なんだけど、その結果としてすごく健康的な生活リズムになっているのも予想外の嬉しい効果。いつもだらだら2時くらいまで起きているのが、今のところは23時には寝て2時過ぎに置きて授乳、その後6時くらいに起きてそこから仕事や家事、というスケジュールだと1日の時間が有効に使える。

そのぶん昼間ちょっと眠くなるけど軽く仮眠取れれば体力的には大丈夫。とはいえ、今は退院からしばらく会社をお休みして自宅で仕事しながら間に家事や育児、としているのでなんとかなっているけど、仕事が始まったら家事と育児のスケジュールをコントロールしないといけない。今みたいに家にいるうちは家事も育児もできるけど、仕事始まってからが本番かな。

そう、退院してからの数日は夫も仕事休んで育児すべき、ってのはとても重要だと思った。最初の頃は子供の育て方なんて何をしていいかさっぱりわからず、そんな中でギャンギャン子供が泣き、授乳中は手も動かせずそれでも家事は貯まっていく状態を1人で回すのは男女問わず大変だなあと。正直、子供が生まれる立ち会いで休むより退院からの数日を休んだほうがいいんじゃないかと思うくらい。いや両方休めるのが一番いいんだけど。

家事の量も洗濯物は単純に倍だし、こまめにやってくるミルクタイムのために哺乳瓶をこまめに洗ったりと、2人で暮らしていた時より圧倒的に多くなる。3人だから1.5倍というより、子供1人増えただけで今までの2倍くらいは家事が増えた感じ。とりあえずうまくはないけどそこそこ包丁が持てて料理ができる程度に育ててくれた母親にいまさらながらも感謝です。

子育ての環境については妻がしっかり調べて買い物していてくれたので、おどろくほど行き届いていて困ることがない。この準備力はどこかちゃんとブログでまとめるべきではと思うほどで、病院で育ててるんじゃないかというくらい設備には困らず、育児のみに専念できているのは本当にありがたい。

あとは子供を持つ知人たちが知識や親としての心持ち、子育てグッズなど幅広くサポートしてくれたのもすごく助かっていてほんとに感謝しかない。最初にきちんと知識を持って受け入れ体制整えられていなければ、今ごろもっとてんやわんやだったろうなあ。この場を借りて改めて感謝です。

うちの子がぐずるときは今のところ「おなかすいた」「ゲップ」「オムツ替え」の三択なので、とりあえず3つを順番に試しつつ、それでも泣き止まないときは抱っこ時間伸ばしてみたりミルク追加してみたりといろいろ試行錯誤するけど、これもまたちょっとしたゲーム感覚というか、「よっしゃゲップ出せてうまく寝たぞ!」みたいな達成感は大変な中でもちょっとした楽しみでもある。

 1人の人間の人生をこれから左右していく立場として、産まれてきてからには楽しい人生であって欲しいなと思いつつ、最初の初日は偉そうにいっててもそのうちそんなこと言ってられなくなるのではという不安とも戦いながら、子育て道を邁進していきたいと思います。